稲子 梅

 

先週の日曜日12日、富士宮市稲子地区で「梅まつり」が開催されました。

天子ヶ岳の麓にあり、清流稲子川の流れる自然豊かな稲子。ここは静岡屈指の梅名産地です。人口減少と生産農家の減少に苦しむ中、「梅のつづき」という活性化プロジェクトを立ち上げた70歳の生産者さん。今回、おかず梅として「梅ラー油」を商品化し、このお祭りを迎えました。

 

 

梅の旬を迎えるこの時期に、今年の梅酒や梅シロップを仕込むため、そんなプロジェクトで再生化を図っていることも知らずに足を運ばれた方もたくさんいたことと思います。梅は私たちの生活にかかせない食材ですね。

梅の再興プロジェクトと言えば、この稲子だけではなく、病気の感染に苦しんだ日本一の梅の里、青梅市の梅の公園の木1266本の伐採という衝撃的なニュースが近年にあったことを思い出します。

梅は春先には花をつけ、私たちを愉しませてくれ、夏には実をつけ、食卓のお供としていてくれる、日本人にはかかせない存在です。またその栄養価を知ると、私たちの命を支えてくれる存在でもあることを知ります。

そんな梅を作る人がいなくなっているというのが稲子の現状です。今こそ梅というものの再評価が必要なのではないかと思いました。

私は個人的な経験ですが、梅に助けられた経験があります。お水も飲めない発作に見舞われた時のことでした。なぜか梅を入れたご飯だけは戻すこともなく消化出来たのです。それまでは点滴を打ちに病院へ行っていたのですが、その必要も梅のおかげで減って行きました。

後で知ったのですが、それは梅に胃の粘膜を保護したり、修復したりする効果があるからだったようです。二日酔いの時には梅干しを食べなさいという言い伝えも、おそらくこの効能のおかげなのだと思います。

今では夏の水分補給は梅ジュースにしています。緊急事態のみでなく、普段から疲労回復に役立てていくことにしたわけです。6月に一年分を仕込む作業も季節仕事となり、楽しみが増えました。

その季節仕事の中にはお酒で仕込むものも入れました。人によってはウォッカで仕込むのが一番という方がいるかもしれませんが、ブランデーにしても何にしても、純度の高いアルコールで仕込むことが大切に思います。アルコールが悪者扱いされるのは、混ざりものによる悪酔いだったり、多量飲酒だったりが原因であるからです。

PARICAに来る職人さんたちは寝る前によく寝る前に、一杯だけ飲み、神経を落ち着かせてぐっすり眠る方が多く見えました。睡眠の質もあがるようです。母も梅酒を水で割り、疲れを落としていました。

お酒ばかりではなく、梅もいい梅で仕込むことがおいしくいただける最大のコツになります。その良質な梅を作る方を大切にするのはごく自然なことになりますね。絶妙な味に仕上げる梅職人さんは減り、そしてほんとに美味しい梅干しの味を知る人たちも減っているように思います。

天日で干し、適度に乾いた梅干しは保存が利きますが、最近お店で出回っている梅干しは、常温においておくと腐ってしまいます。ここが手塩にかけて作られたものとの違いですね。

生活習慣病予防で減塩が呼びかけられていますが、梅自体を塩代わりに使う調理をすると、香酸も助けてか、逆に減塩になります。ぜひおいしく活用して、和食らしい味の素である梅を取り入れていただけたらと思います。

1人でも多くの方が梅の素晴らしさに目覚め、梅を育てる人たちを支援するようになっていただけたらと心から願っております。稲子では梅の木のオーナーさんを募集しています。興味のある方はぜひこちらを。http://u-trio.com/pdf/plum_recruiting.pdf

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